ワークライフセレクト

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WORK LIFE SELECT

仕事も人生も、自分らしく選ぶこと。

CASE 007

「世界中に
スポーツ施設を」
子どもの頃からの夢を
家族や仲間と
追い続けています。

﨑山 さきやま 浩一郎 こういちろう

30歳

  • <前職>
    情報サービス会社
    事業企画
  • <現職>
    株式会社ブレグランス
    代表取締役

経歴

2009年4月
22歳
大学卒業後、大手生命保険会社に総合職で入社
社内SEとして、アクチュアリーと協働し主計システムを開発
2010年10月
24歳
ソーシャルゲームを主軸とするIT企業へ転職
広告の営業や自社商品の企画・開発をはじめ、合弁会社の広告商品代理事業の責任者として商品開発等も担う
2013年10月
27歳
大手情報サービス会社へ事業企画として転職
新規事業開発の部署で、事業企画や営業企画、経理、総務などの仕事を幅広く担当
KPIの策定や目標設定、PL管理、事業計画の立案、新商品の企画などを遂行
2015年9月
29歳
株式会社ブレグランスを設立
スポーツ教室の運営やスポーツイベントの企画、プロスポーツ選手のサポートなど、スポーツを中心に幅広い事業を展開。現在も、常に新しい企画や取り組みに挑戦している

準備期間の20代を経て、
29歳で起業。

「30歳までに起業する」。これが、僕の小学校からの目標です。経営者である父の背中をずっと見てきたからかな。会社員として一生働くことは想像できなくて、自分で会社をつくり自分の力で生きていくと決めていました。

20代は起業に向けての準備期間。多くの経験を積み人脈を築こうと、大手生命保険会社でSEとして働いた後、急成長を遂げていたIT企業に転職しました。3年間がむしゃらに学ぶと決めて「職種はなんでもいいから働かせて欲しい」と人事に直談判。営業や商品企画を経験した後、大手情報サービス会社に転職し経営に関わることを幅広く学びました。特に、新規事業を黒字化できたこと、どのようにビジョンを共有し組織を運営するべきかを学べたことはすごく勉強になりましたね。

もちろん、苦しいこともたくさんありました。特に、2社目はベンチャー企業だったので1社目とのギャップに驚きました。入社してすぐ億単位の目標を持ち、経験したことがない業務も容赦なく任される。フォローはしてくれるけど、基本的には自分で考えて進めなくちゃいけない。上司から怒鳴られることも多く、毎日退職届を持って会社に行っていました。睡眠時間も少なくて、精神的にも体力的にも相当キツかった。でも、この時期が一番成長できたと自負しています。目標に対し責任を持ってやりきる力、考えて人を巻き込んで業務を進める力。辛かったけど、少しずつ自分の存在価値や得意分野もわかってきた。ここでの経験は今の僕の大きな糧になっています。

会社員時代は、いつもどこかに焦りや危機感がありました。だから、成長していないと感じた時は新しい仕事や厳しい環境に身を移し、学べることは全部吸収する気持ちで働いてきました。そうして貴重な経験と人脈を得て、29歳で株式会社ブレグランスを設立しました。

スポーツを通して、
世界中の子どもたちの人生を豊かに。

ブレグランスでは、子ども向けのテニススクールをはじめとするスポーツビジネスを展開しています。僕自身、小さい頃からテニスをやっていて、スポーツを通して大切なことを学んできました。人との絆、多様な価値観、自分と向き合う強さ、弱さを受け入れる勇気、コミュニケーション力、考える力、責任、努力、礼儀…。勝負の楽しさや悔しさも知り人生がすごく豊かになった。だから、今度は僕が世界中の子どもたちに、スポーツを通して学べる多くのことを伝え、心や人間性を育てられる環境を作りたいと思っています。

一方で、スポーツを本気で続けていくことは簡単なことではありません。プロとして食べていける選手はほんの一握り。スポーツを極めてもそれで一生生計を立てるのは難しいのが現状です。もちろん全員がプロ選手やコーチを目指すわけではないですが、スポーツを職業にできる選手が増えれば、子どもたちの夢も広がります。だからこそ、スポーツ選手もビジネス視点を持ち、自分の価値を生かしてお金を稼ぐ術を学んで欲しい。そのための取り組みにも挑戦していきたいと考えています。

今年の9月で会社は1周年を迎えました。この1年は、不安だらけの毎日でした。一番大変だったのは、初めて子ども向けのテニスの体験スクールを開催した時。スクール運営も、ゼロからの集客も初めて。このビジネスが成り立つのか、その恐怖と常に戦っていました。でも結果的に、8人が体験に来て5人が入会してくれて。初めて「入会します!」と言ってくれた時の感動は今でも忘れられません。地道に広げていけばビジネスになる!そう実感と自信を持てた瞬間でもありました。あれから半年、クラスは3つに増え、ダンスのクラスもできました。1歩ずつ、夢に向かって進んでいます。

大切なパートナーと、
僕の夢を世界中に広げていきます。

社名のブレグランスは妻の旧姓の「勇」と名前の「香」からつけました。大学1年の春に出会ってから10年以上経ちますが、今こうして夢を叶えられているのは妻のおかげです。会社員時代、あまりのハードさに挫けそうな時も、手を引っ張って会社に連れて行ってくれたり、3か月で「会社を辞める!」と弱音を吐いた時も、「自分がやるって決めたんでしょ!」と喝を入れてくれたり。結婚して、子どもが生まれてからの起業だったけれど、ドンと構えて応援してくれました。

昔から妻には夢や目標を共有し、今も会社のことはすべて相談しています。一人だと孤独だし、自分の判断が正しいかどうかもわからなくなるんですよね。だから、妻には必ず最終確認をしてもらっています。もはやブレグランスの会長(笑)。僕の夢を一緒に追ってくれる大事なパートナーです。

会社経営は、迷いや葛藤の連続です。進むべき道は合っているのか。もっと利益を追求するべきじゃないのか。判断を誤りそうになることもあるし、軸がブレることもある。スクール以外にもやりたいことが多すぎて、経営視点で見ると今注力すべきではないことに、パワーを注いだ時期もありました。でもそんな時に、「お前バカか?」「君の思いに賛同して付いてきてくれているのに、君があっち行ったりこっち行ったりすると、みんなが迷うぞ」と本気で叱り、道を正してくれる仲間がいます。取締役の2人もそう。性格も強みも違うから、いろんな観点で本音のアドバイスをくれるのは大きいです。だからあとは自分次第。その人たちに恩返しするためにも、ギアを入れて突き進もうと決めています。

来年には全国へ、2年後には世界へ、5年後には世界に数十拠点のスポーツ施設を運営できるまでに成長させたい。夢はまだまだ始まったばかり。スピード感を持って、このビジネスを、僕の夢を世界中に広げていきます。

Q&A

大学で経営学ではなく、理工学を専攻されたのはなぜですか?

ちょっと恥ずかしいんですけど、『天空の城ラピュタ』が大好きで、ラピュタを作りたかったんです。あとは、エヴァンゲリオンを作るのも面白そうだなと。それに「男は理系だろ!」みたいな考えもあって、理系に進みました(笑)。
でも少し真面目な話をすると、父からも「経営は学校で習わなくても自分で勉強できるでしょ」と言われていたし、何より実際に経験してみる方が早く学べるかなと思ったのもありますね。

テニスやダンス以外のスクールの開設は考えていますか?

スポーツ全般やっていきたいと思っています。今は、テニスがメインですが、ゆくゆくは、学校ではあまりやらないけれど子どもの能力アップにつながるスポーツにも挑戦していきたいですね。
僕の考えとしては、団体競技と個人競技で学べるものは違うと思うので、団体の中で競争しながらも協力して勝つ楽しさや、個人の一人で勝ち上がる責任など、どちらも学んでもらえたらいいなと思っています。

子ども以外のスクールの開設も考えていますか?

9月からシニア向けにもやります!「60歳から始められるテニス」をテーマに、柔らかいボールを使って、健康のために生涯続けられるスクールを作りたいなと。
あとは、会社員時代に知り合ったインストラクターの方と、ママ向けの教室をやろうと企画しています。実は今のダンススクールも、テニスのチラシを見たインストラクターの方が「ダンスはどうですか?」と提案してくれて始まったんです。ビジョンに共感して協力してくれて、ビジネスが広がる。ありがたいですね。

忙しい中、家族と過ごす時間はいつ取っていますか?

朝、保育園まで子どもを送るのは僕の担当で、そこで子どもと話をしています。朝早く起きて規則正しい生活ができるから一石二鳥です。
妻は、夜、僕が帰ると必ず起きて話す時間を作ってくれています。2人でゆっくり話せる貴重な時間。僕はしゃべるのが好きなので、バカなことを言って笑われたり、夢を語りすぎて、「現実を見なさい!」って怒られたり。ビジネスのブレストの場でもあり、息抜きの場でもあって。仕事についての会話が、僕ら夫婦の会話です。

家庭とビジネスを両立するために工夫していることはありますか?

あえて、公私混同しているところかな。家族も巻き込んだ仕事をして、一緒に夢を追っているというか。それを妻が許してくれるのはすごく大きいですね。
あとは、成功した後の2人の夢もたくさん話しています。ゴールを共有しているから、妻も早く成功できるように応援してくれているのかな。ちなみに、最終的な夢は、50歳くらいで引退して世界中に作ったスポーツ施設を回りながら旅すること。他にも、この車に乗りたいなとか、どこに住みたいねとか、とかそういう夢がたくさんあります。

子どもには、どんな人に育ってほしいですか?

3つあって、1つは限界を作らずに、自分で考え行動できる人になってほしいと思っています。2つ目は、究極を言うと、わがままに生きてほしい。人に迷惑をかけずに、やりたいことを何でもできる環境を自分で作ってほしいと思います。3つ目は、歴史に残れとまでは言わないけれど、誰かの役に立った痕跡を残してほしいですね。形でも誰かの心にでもいいから、何かを残せる人間になってくれればと。僕もまだまだできていないので、これから自分の背中で見せられるよう頑張ります!

2016.10.14

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