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CASE 004
独立、転職、結婚…。
夢を探し続けた私が
行き着いた、
人生の目標。
梅本
(うめもと)
知世
(ともよ)
29歳
- <前職>
経営コンサルティング会社
秘書
- <現職>
株式会社ビービット
秘書
経歴
- 2008年4月
- 22歳
- 大学卒業後、ERPパッケージの開発・販売を行う会社へ就職
人事として、1000人が参加するインターンシップの全体責任者を務め、1年半後に退職
- 2009年11月
- 24歳
- フリーランスの美容アドバイザーとして、
セミナーやイベントの企画・運営を開始
- 2010年10月
- 25歳
- 美容アドバイザーを約1年間続けるが、
経営に向いていないと判断し、新たな道を模索
- 2010年12月
- 25歳
- 結婚が決まり、関西から東京へ引越し
経営コンサルティング会社へ秘書として就職するが、
10ヶ月後に会社が倒産
- 2011年10月
- 26歳
- 株式会社ビービットへ転職
4人の役員の秘書として、幅広い業務を遂行している
夢を探して、見つけて、破れて…。
その繰り返しでした。
高校生の頃から、“やりたいこと”“なりたいもの”を探し続けてきました。大学入学当初は、臨床心理士。その夢が、現実とのギャップを知って破れてからも、自分の夢は何かをずっと考え続けてきました。
就職活動でも多くの説明会に参加したけれど、自分の中でピタっとはまる会社には出合えませんでした。当時の私は、女性は結婚や出産のことも視野に入れて就職活動をしなければならないと考えていたけれど、どうしてもキャリアと家庭の両立が想像できなくて。
「こんなに悩んで探しても見つからないなら、同じような悩みを抱える女性を支援するための総合施設を、自分でつくろう」。そう考えたのが、大学3年生のときです。
起業する前に力を付けたくて、新人でも難易度の高い仕事を任せてもらえる会社に入り、1年半後に退職。ちょうどその時、学生時代のバイトの先輩から誘われたことがきっかけで、フリーランスで美容アドバイザーの仕事を始めました。
でも、実際に自分でやってみてわかったのは、「私は経営には向いていない」ということ。目の前の人のことばかりを考えて、売上を立てる、ということに頭が回らず、日々の生活も苦しくなりました。何より、協力してくれる人や一緒に運営をしている人たちと、みんなでひとつのことを成し遂げたい、という強い気持ちはあるのに、思いだけが空回りし、人を育てることも、上手に引っ張ることもできなくて。描いた夢が、また一つ破れました。
結婚前にキャリアを築く。
それだけに捉われていました。
私がここまで明確な夢や目標を求め続けたのは、「女性は結婚するまでにキャリアを確立させなければ、仕事か家庭のどちらかを捨てることになる」とずっと思っていたから。1人で焦って、目に見えるキャリアをつくることばかりに一生懸命になっていました。
でも、フリーランスでの失敗を通して、「私は一番前で旗を振り引っ張る役ではなく、隣で一緒に走るサポート役の方が向いている」ということに気付くことができました。そして、「私は、誰のために、どんな価値を発揮できるのか」という今までになかった視点を持つこともできました。
今は、秘書として社長や役員をサポートしていますが、どんな仕事でも、求められる場所で、自分の強みを活かして誰かの役に立てるなら、それが自分にとっての幸せな仕事なんだと思っています。そう思えるのも、将来について考え抜き、挑戦してきた経験があるから。途中で挫折したり、失敗したりもしたけれど、やりたいことは全てやったという自負があります。だから、答えが出なくても考え続け、失敗したとしても挑戦することが、本当に納得する自分の軸に出合うために必要なんだと実感しています。
大切な人にとって、
隣にいてほしい存在であること。
独立、転職、結婚…20代でさまざまな経験をした私が、いま大切にしているのは「何をやるか」より「どういう人になるか」ということ。秘書として、妻として、大切な人に、隣にいてほしいと思ってもらえる存在でありたい。そのために、一番意識しているのは、自分の心のキャパシティを広く保つこと。昔に比べ、心の余裕を何より大切にするようになりました。
だから、無理はしません。諦める、断る、ということもできるようになりました。早く帰れる日は18時には帰ってご飯をつくる。少し遅くなった日は、外で夫と待ち合わせして食べて帰る。仕事も頑張りながら、毎日夫と一緒にご飯を食べる時間も大切にできています。断ることはすごく勇気がいるけれど、大切な人の隣で、いつも笑顔でいるために、意思を持って選択するようにしています。
そんな私も今年30歳。女性にとって節目の年齢でもあり、仕事、結婚、出産…と多くの選択肢に悩む時期だと思います。私自身も、結婚と仕事を両立できた今、妊娠や出産のことも少しずつ考え始めるようになりました。
ちょうど、会社に子育てママと結婚したプレママが集まる『母の会』という会があって、育児についてのリアルな話を聞く機会が増えました。子育てしながら働く大変さをひしひしと感じる反面、母の偉大さや喜びも目の当たりにして、子どもがいる人生も素敵だなと思うようになりました。
仕事を続けるかどうかは、子どもを授かってみないとわからないけれど、上司でも、夫でも、子どもでも、「サポート役として、隣にいてほしい存在であり続ける」という自分の軸は、貫いていきたいなと思います。
Q&A
- 秘書として社長をサポートする際に、意識していることはありますか?
-
バイアスをかけず真意を汲み取ろうとすること、目標達成の力となれるよう効率的な道を模索すること、などいろいろあります。
でもやはり一番は、いつも隣にいて、どんなことでもサポートできるよう、常に心にゆとりを持つことですね。
- 結婚することに迷いはありませんでしたか?
-
それはなかったですね。それまでに、色んなことに挑戦して失敗して、自分の軸も決まっていたし、目に見えるキャリア以外の大切なことにも気付けた。それに、この人なら一生尽くしても後悔しないな、と思える人に出会えたことも大きいと思います。
結婚してから心に少し余裕が持てるようになり、一人で頑張らなきゃ!と気張ることがなくなりました。
- 働き方や転職先について、旦那さんから何か言われたことはありますか?
-
特に何かを言われたことはないですね。働いても働かなくても、どんな仕事でも、好きなようにしたらいいよ、という感じで。でも、2人で生活するようになってからは、行動する前に自分の気持ちや意思は必ず伝えるようにしています。
- 家事の分担はどうしていますか?
-
基本的にご飯は私が作って、洗い物は夫がしてくれています。掃除とか洗濯の分担は明確には決まっていないけれど、お互いが気付いた時にやるようにしています。
洗濯機をまわすまではやってくれて、干すのは私ということもよくありますね。
- 仕事と家庭を両立する秘訣を教えてください。
-
基本的には、無理をしないこと!頼めそうなことは、会社でも家でもお願いするようにしています。
あとは、きちんと会話をすることですね。休日は、お互い好きなことをして過ごしていますが、夜は一緒に過ごすことが多いので,将来のこと、お金のこと、仕事のこと、何でも話しています。2人の思いや考えを共有することが大切だと思います。